2014/01/24

記事:13年の人気海外旅行先、1位はホノルル、東南アジア人気も

http://www.travelvision.jp/news/detail.php?id=60253


13年の人気海外旅行先、1位はホノルル、東南アジア人気も-Hotels.com

  • 2014年1月23日(木)
 Hotels.comによると、2013年の日本人に人気の海外旅行先ランキングで、1位は昨年と同様、ホノルルとなった。2位も昨年と同じソウル。3位は昨年はニューヨークだったが、今年は初めてバンコクがランクインした。
 Hotels.comでは13年は東南アジアの都市の人気が高まったとしており、例えば前年17位だったホーチミンは14位に上昇。同社では欧米諸国より円安の影響が少ない東南アジア都市への人気の旅行先が変化したと分析している。
 人気の海外旅行先ランキングは、Hotels.comの2013年の宿泊実績により決定したもの。上位20位は以下の通り。
▽2013年 日本人旅行者に人気の海外旅行先
(順位 都市名/2012年順位)
1位 ホノルル/1位
2位 ソウル/2位
3位 バンコク/5位
4位 ニューヨーク/3位
5位 パリ/4位
6位 シンガポール/6位
7位 台北/11位
8位 ロンドン/9位
9位 香港/7位
10位 ロサンゼルス/10位
11位 上海/8位
12位 ラスベガス/12位
13位 サンフランシスコ/13位
14位 ホーチミン/17位
15位 ローマ/14位
16位 バルセロナ/16位
17位 クアラルンプール/18位
18位 ミラノ/15位
19位 サンディエゴ/19位
20位 ミュンヘン/20位

2014/01/21

記事:観光客誘致:イスラム教徒「おもてなし」強化 成田と関空

http://mainichi.jp/select/news/20131228k0000e020158000c.html

観光客誘致:イスラム教徒「おもてなし」強化 成田と関空

毎日新聞 2013年12月28日 10時57分
 観光庁がイスラム教徒(ムスリム)らの観光客100万人を掲げていることを受け、玄関口となる成田と関西の両国際空港が、戒律に従った「ハラール食」の提供や礼拝スペースの拡充など「おもてなし」の取り組みを強化し始めた。中国・韓国との関係改善が見通せない中、海外から日本への観光客は今年初めて1000万人を突破。激化する空港間競争に打ち勝ち、更なる集客を図るためにも「ムスリムに選ばれる空港」を目指している。
 イスラム教は豚肉やアルコールの摂取を禁じ、それらに触れた調理器具も使えない。成田空港は12月から有料待合室の利用者に対し、専用キッチンを備えた機内食工場で調理したハラール食の出前を始めた(要予約)。来夏までに専用レストランを旅客ターミナルビルにオープンさせる計画もある。
 もう一つ力を入れているのが、礼拝場所の確保・拡充。ムスリムは1日5回、聖地メッカに向かって礼拝する。成田空港は2005年に多目的室2カ所を設け、方角を示す「キブラ」という紙を天井に張った。しかしPRが不足し、利用は1日平均2.5件(今年度)に低迷。ロビーの片隅で礼拝するムスリム乗客も多いという。
 そのため、今月からは多目的室を「プレイヤー・ルーム(礼拝室)」に改称。年明けには礼拝前に手足を清めるための水場も併設する予定だ。来夏までに出国審査後のエリアにも2カ所増設する。
 日本政府観光局によると、訪日ビザの発給要件緩和で、既にイスラム諸国から訪日する人は増えており、特に東南アジアは伸びが著しい。マレーシアから11月に訪日した人は前年同月比72.7%増の推計約2万6200人で、単月では過去最高となった。また、インドネシアも同43.3%増で11月としては過去最高の1万1000人を記録。年間で見ても、12年はマレーシアが前年度比59.7%増、インドネシアが同63.9%増だ。
 来春から羽田空港の国際線発着枠が拡大し、外国人観光客の奪い合いは激化する見通し。20年の東京五輪開催も見据え、成田国際空港会社の夏目誠社長は「経済成長する東南アジアは集客の一番のターゲットだ」と集客への熱い期待を隠さない。【味澤由妃】
 関空が目指すのは「ムスリムフレンドリーエアポート」。これまで第1ターミナル国際線出発階に1カ所設けていた礼拝スペースを年度内に3カ所に増設する。いずれも男女別室で24時間開放。手足の洗い場も設ける。
 ターミナル内の飲食店では、うどん店とそば店がハラール認定を受け、15店が豚肉やアルコールを使わないメニューを常備。今月2日には修学旅行のマレーシアの高校生ら44人が空港内でハラール食を味わった。おでんやそばなど和食中心のメニューで、アルコールが含まれるしょうゆやみりんは不使用。評判は上々だった。
 空港内にある唯一の宿泊施設「ホテル日航関西空港」も10月から礼拝に使うマットや衣装の貸し出しサービスを開始。全576室の壁にキブラを貼り付けた。新関西国際空港会社は「イスラム教徒がストレスなく旅行できる環境を整え、訪日需要を取り込みたい」としている。【山田泰正】
 日本ムスリム協会の遠藤利夫理事の話 戒律の厳しいムスリムを受け入れようという方向性は素晴らしい。ただ、もしハラール食に混入や偽装があれば日本の国際的信頼が揺らぐ。どうせやるなら、できるだけ厳格にチェックするよう注文したい。

記事:インドネシア:バリ島、もう一つの姿 自然と共生、苦悩の楽園

http://mainichi.jp/shimen/news/20131228ddm007030003000c.html

インドネシア:バリ島、もう一つの姿 自然と共生、苦悩の楽園

毎日新聞 2013年12月28日 東京朝刊
舞踊「ケチャダンス」の一場面。伝統的な舞踊を観賞用にアレンジしたもので、「ケチャ」と呼ばれる男声合唱に合わせて踊る。ストーリーはインドの長編叙事詩「ラーマーヤナ」が基になっている=バリ島南部のウルワツ寺院で、佐藤賢二郎撮影
舞踊「ケチャダンス」の一場面。伝統的な舞踊を観賞用にアレンジしたもので、「ケチャ」と呼ばれる男声合唱に合わせて踊る。ストーリーはインドの長編叙事詩「ラーマーヤナ」が基になっている=バリ島南部のウルワツ寺院で、佐藤賢二郎撮影
 豊かな自然と独自の文化が世界中の人々を魅了してきたインドネシア・バリ島。だが最近、観光客や人口増加に伴う開発により、先人たちが守ってきた自然との共生関係が崩れつつある。「楽園」で今何が起きているのか、もう一つのバリの姿を報告する。【佐藤賢二郎】
 ■巨大リゾート計画

 ◇地元二分の論争に

ブノア湾を縦断する高速道路建設が原因で漁師を廃業に追い込まれたマデ・スマサさんは、「環境破壊につながるこれ以上の開発はやめてほしい」と訴えた=2013年11月8日、佐藤賢二郎撮影
ブノア湾を縦断する高速道路建設が原因で漁師を廃業に追い込まれたマデ・スマサさんは、「環境破壊につながるこれ以上の開発はやめてほしい」と訴えた=2013年11月8日、佐藤賢二郎撮影
 バリ島の玄関口ヌグラライ国際空港、州都デンパサール、そしてヌサドゥアなど高級リゾート地に囲まれたブノア湾の観光開発計画が突然浮上し、今、地元を二分する論争となっている。
 「湾の埋め立てと再開発は職を生み、地元に利益をもたらす」。11月初旬、湾東部のタンジュン・ブノア村の集会で、地元リーダーの一人が訴えた。観光開発の事業会社は、村内に学校と病院の建設を約束していると強調し計画への賛成を呼びかけた。
 一方、反対を表明した南部クラン村のリーダー、マデ・スギタさん(42)は「水位上昇など開発の影響が心配だ。住民に隠して計画を進めてきた行政や事業会社の手法は非民主的だ」と批判する。
 発端は7月の地元メディアの報道。バリ州知事が昨年12月、湾内での巨大リゾート施設建設に許可を出していたとすっぱ抜いた。湾内の838ヘクタールを埋め立て、約10の人工島を造り、ホテルやゴルフコースなどを建設する。これに住民や環境保護団体が強く反発。地元大学の調査で、開発が環境に大きな影響を与えることが判明し、知事は8月、許可撤回に追い込まれた。環境保護団体「WALHI」の現地代表、ワヤン・ゲンド・スワルヤナさん(37)は、知事の撤回を「沈静化のための時間稼ぎにすぎない」と指摘する。
 ブノア湾を保護地区に指定している法律は、今年7月公布の大臣令で来年には見直される見通し。その後、別の大学に調査を依頼し、環境に影響ないとの結果を得て改めて事業許可を出す公算が大きいとみている。「企業と行政が一緒になればどんな開発も可能だ」とワヤンさんは言う。
 湾南部トゥバン村の漁業者組合リーダー、マデ・スマサさん(48)は、今年10月にバリ島で開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)を前に政府が建設したブノア湾縦断高速道路の影響で、漁師を廃業。その補償金で仲間の元漁師とマングローブ林でカニの養殖を始めたばかり。「開発の影響を受けるのはもうたくさんだ。湾の埋め立てがマングローブ林にも影響するのであれば、命をかけて反対する」と力を込める。
 ■人口とともに増加

 ◇進まないゴミ再利用

バリ島唯一の大規模ゴミ処分場では、ビニールなどの再生ゴミや豚の飼料となる生ゴミを集めて生計を立てる人たち約400人が働いている=2013年11月7日、佐藤賢二郎撮影
バリ島唯一の大規模ゴミ処分場では、ビニールなどの再生ゴミや豚の飼料となる生ゴミを集めて生計を立てる人たち約400人が働いている=2013年11月7日、佐藤賢二郎撮影
 澄み渡った青空の下、見渡す限りのゴミ、ゴミ、ゴミ−−。バリ島南部デンパサール。島唯一の大規模処分場には、ゴミを満載したトラックがひっきりなしにやって来る。世界的な観光地は今、増え続けるゴミという難題に直面している。
 「このままではゴミが容量を超えてしまう」。ゴミ発電の施設などを運営する「ノエイ社」の現地責任者、エコ・ウィロスティオノさん(51)が悲鳴を上げた。処分場の面積は32ヘクタール。すでに80%以上の26ヘクタールがゴミで埋まり、高さは最高10メートルに達する。今も1日500〜800トンが運び込まれ、ゴミ山はどんどん高くなる。
 ノエイ社は10年前にバリ州政府と契約し、2008年からゴミ発電の施設を整備。だが、焼却時の熱やゴミから出るメタンガスを使った発電は、コストが高く採算の取れないことが判明。全ての作業を中止した。
 「ゴミ問題の背景には、プラスチックの普及がある」と、地元の環境保護団体のアギル・アティックさん(40)が指摘する。島では1980年代まで食器代わりにバナナの葉などの植物を使っていたが、90年代に入りプラスチックやビニールの製品が急速に普及。しかし、住民に分別や再利用という習慣はなく、全てがゴミになるという。
 バリでは自然増に加え、就労目的の移住者も流入し、人口は年2%以上の割合で増えている。アギルさんは「このままでは楽園がゴミの島になる」と頭を痛める。
 クタ、ヌサドゥアなどの観光地を抱えるバドゥン県は、地元の学校と協力してプラスチックゴミを回収し、企業に販売する活動を続ける。過去3年半で集めたゴミは117トン。同県のプトゥエカ・ムルタワン清掃局長(48)は「独自でゴミを再利用する方法を見つけるしか解決法はないのだが」と話した。
 ■高騰する地価

 ◇ビラ増加し消える水田

 「not for sale」(非売品)。バリの芸能・芸術の中心地、ウブド。町外れの水田の中に奇妙な看板が立っている。
 「土地はバリ人にとって何より大切なもの。それを伝えたかった」。水田の減少に危機感を覚えた地元の芸術家、グデ・サコールさん(33)が、3年前に竹で看板を作った。
 バリ州政府によると、島内の水田の総面積は8万1000ヘクタール。過去10年間、年約360ヘクタールずつ減り続けている。理由の一つが「ビラ」と呼ばれる観光客向け宿泊施設の建設だ。
 水田の広がる静かなウブド近郊でもビラの建設ラッシュが続く。バリ島で土地売買は法律で禁じられており、20年間のレンタルが一般的。その価格の上昇が水田減少に拍車をかけている。
 地元パトゥル村のマデ・テジャ村長(40)は「きちんと規制しなければ水田が消滅し、観光客はよそへ行ってしまう」と懸念する。人口876人の同村には180のビラやレストランがあり、住民の約8割が観光業で生計を立てる。
 農家の平均的な年収は500万ルピア(約4万2000円)。一方、土地の20年間レンタル価格は100平方メートル3億ルピア(約255万円)前後。さらにその後、ビラの管理人になれば月100万ルピアほどの収入も得られる。15年前から地元で飲食店を経営する竹俣晴海さん(65)は「10年前と比べて地価は約10倍になった。まさにバブル状態だ」と言う。
 そんな中で、農業を営むパンデ・スウィアワンさん(35)は最近、非営利組織を作り、子供たちに自然の大切さを教える活動を始めた。「バリの芸能、芸術は全て自然に根差している。お金よりも自然との調和を重視してきたバリ人の魂を伝えたい」
==============
 ■ことば

 ◇バリ島

 首都ジャカルタがあるジャワ島の東約2キロ、インドネシアのほぼ中央に位置する島。面積は東京都の約2・6倍の5663平方キロ。人口422万人の約9割が土着の宗教とヒンズー教が融合した「バリ・ヒンズー」を信仰し「神々がすむ島」とも呼ばれる。豊かな自然を生かしたリゾートが人気を集め、年間約290万人が訪れる国際的な観光地。

記事:地球ING・進行形の現場から:第1回 韓国の外国人観光客誘致

http://mainichi.jp/shimen/news/20140121ddm004070004000c.html

地球ING・進行形の現場から:第1回 韓国の外国人観光客誘致

毎日新聞 2014年01月21日 東京朝刊
済州市内の免税店には韓国製炊飯器が山積みされ、多くの中国人観光客が購入していた=済州市内で
済州市内の免税店には韓国製炊飯器が山積みされ、多くの中国人観光客が購入していた=済州市内で
中国人観光客に道を教える「動く観光案内所」の朴敏珍さん(左)=ソウル・明洞で12日
中国人観光客に道を教える「動く観光案内所」の朴敏珍さん(左)=ソウル・明洞で12日

 ◇多彩な「韓流おもてなし」で昨年初の1200万人超え。主役の中国人には複雑な視線。

 「南の島」というイメージだった韓国南部・済州島の空港に降りると細かい雪が舞っていた。タクシーに乗ると、運転手が「ソウルはもっと寒いでしょ」と声をかけてきた。金宗憲(キムジョンホン)さん(64)。7年前に済州道庁を定年退職し、タクシー運転手を始めたという。
 「中国人客が多いらしいですね」と声を掛けてみた。済州島は2008年に中国人が査証(ビザ)なしで観光できるようになって以降、猛烈な勢いで中国人観光客が増えている。08年に17万人強だったが、昨年は181万人となった。
 韓国は近年、中国人を中心とした外国人観光客の誘致実績を急速に伸ばしている。昨年は、外国人入国者が初めて1200万人を超える勢いを見せた。それを象徴する場が済州島だ。
 「中国人は団体が多いから、タクシーを使ってくれるのは夕食後に買い物に出たりする時かな」と穏やかに答えた金さんだが、市街地に差し掛かってくると口調が変わってきた。
 「このホテルも中国に買われて、1階の外壁が金色になったんだ。中国人は金色が好きなんだろ」
 急激な中国人観光客の増加に伴い、中国資本の進出も目立つ。そのことで、地元住民からは感情的な反発も起きているという。
 済州道庁観光政策課の金泰完(キムテワン)氏は「上海から済州島までは飛行機で1時間強。航空路線も毎日6便あって、もう1日生活圏だ」と話す。済州空港には週171便の国際線が就航しているが、このうち140便が中国各地と結ぶ路線。残りは、日本が21便、台湾が10便となっている。
 済州島にとって大ニュースは昨年10月に中国が施行した「旅遊法」だった。強制的に土産物店へ連れて行くツアーなどを禁止する内容で、店からのマージンをあてにした低価格ツアーが多かった済州島旅行には打撃になると思われたからだ。
 だが、実際には9月までの前年比8割増といった勢いが鈍ったものの、同1〜2割増に落ち着いた程度。金泰完氏は「中国人は団体客が7割だったので、個人客を増やしていきたい」と話す。韓国では中国で発行された国際免許で韓国での運転をできるようにするための法改正が進められている。「個人旅行客がレンタカーを借りられるようになる」と金氏は期待を寄せた。
 韓国は朴正熙(パクチョンヒ)政権下の1960年代、外貨収入を得るための国策として外国人観光客の誘致を始めた。経済成長を果たした近年はむしろ、「韓国の国際イメージ向上」につながることに力点が置かれる傾向がある。韓国にはもともと「日本でも、中国でもない、韓国という国がここにあることを世界に知ってもらいたいという気持ちが強かった」(韓国外務省幹部)ことが背景にあると言えそうだ。
 そして、中国や東南アジアで韓国ドラマが大ヒットして韓流が本格化した90年代末ごろから、外国人観光客が急速に増え始めた。韓国は、「韓流おもてなし」とも呼べそうなサービスを次々と繰り出して観光客に好印象を与えようと努力してきた。
 ソウル都心の繁華街で日本人観光客も多い明洞(ミョンドン)を歩くと、そうしたサービスの代表例にぶつかった。「動く観光案内所」と名付けられた外国語を話せる観光案内員だ。背中に白い字で「観光案内」と書かれた真っ赤なコートが目印だ。
 その一人、朴敏珍(パクミンジン)さん(27)は「日本語ができます」というバッジを付けているが、中国語で道を聞いている人もいるし、英語でも応対する。「中国語の案内を求められることが一番多いので勉強した。英語は簡単な会話だけ。難しくなったら、事務所に電話して助けてもらう」と、恥ずかしそうに笑顔を見せた。
 「観光客を待つのではなく、案内所が観光客の所に行こう」というコンセプトで09年に始まったサービスだ。現在は、日英中3言語を中心にした97人のソウル市観光協会職員が市内11カ所の観光地を回っている。週1回だけ手伝う市民ボランティアもおり、今年は500人が参加するという。昨年1年間の案内件数は、約232万件に上る。
 02年のサッカー・ワールドカップ(W杯)を契機に始まった電話通訳サービスもある。元外交官や主婦などさまざまな職業の人たち約4400人が19言語のボランティアとして登録。空港や警察、観光地でボランティアの携帯電話とつなげて通訳をする。昨年末には、金泳三(キムヨンサム)元大統領の英語通訳を務めた朴振(パクチン)前セヌリ党国会議員が通訳ボランティアを始め、話題となった。
 この他にも、外国語を話せるベレー帽の観光警察官が観光地で「ぼったくり行為」に目を光らせ、飲食店などで不当料金を請求されたら商店会が組織する「名誉保安官」が調べて返金してくれる。さらに、タクシー専用の無料電話通訳も−−。「韓流おもてなし」は、なかなか多彩なのである。
 済州島に話を戻そう。日本人と中国人の観光客数が09年に逆転した済州島は韓国全体の流れの一歩先を行くのだが、中国人観光客を歓迎する観光業界の胸中も実際には複雑だ。
 済州道観光協会の関係者は「中国人客に頼り過ぎることへの懸念はある。中国は政治的理由で急に旅行制限をしたりするかもしれないから」と打ち明ける。協会として東南アジアやロシアからの集客にも力を入れており、今年は中東への売り込みを始めるという。済州道庁も、中国への一極依存はリスクが高いとの問題意識を共有しており、今年上半期に東南アジア初の広報拠点をマレーシア・クアラルンプールに開設する。
 中国人観光客のマナーが悪いという苦情も悩みの種だ。当局はゴミのポイ捨てはしないでなどと呼びかける啓発活動を行い、中国人観光客の多い繁華街は警察の巡回を強化している。
 観光客の急増は、多くの課題を生む。道庁の金泰完氏は「済州島の域内総生産の半分を占める観光関連産業はそれだけ重要なので、少し我慢してと道民にもお願いしている。中国人客がこれだけ急に増えれば摩擦も起きる。でも、いつかは解消されるはずだ」と話す。【澤田克己】
 急速にグローバル化が進む世界では、各国に共通する課題も多い。地球の一角でその克服、新たな挑戦に取り組む姿を紹介する。
==============

 ◇昨年の訪韓外国人1220万人

 韓国観光公社によると、昨年の訪韓外国人数(航空機乗務員などを含む)は前年比9.3%増の約1218万人。内訳は、中国約433万人(全体の35.5%)、日本約275万人(同22.6%)、米国約72万人(同5.9%)など。前年比52.5%(149万人)増の中国が同21.9%(77万人)減の日本を抜いて初めて1位になった。
 日本人入国者は、円高だった2009〜12年に年間300万人を超えたが、それ以前は多くても240万人台。昨年は、08年以前よりは多いことになる。ただ、1990年代以降の訪韓外国人数増加を受け、全体に占める日本人の割合は低下し続けている。00年代に入って40%を割り始め、昨年は初の20%台となった。
 日本の法務省によると、昨年の訪日外国人は前年比22.7%増の約1125万人。日本政府観光局の統計は乗務員らを除くため法務省より少なめとなり、同24%増の約1036万人だった。日本政府は20年に2000万人を達成する目標を掲げている。
==============
 ■取材後記
 「率直に言って、観光資源はありません。だから、買い物やエステを楽しむ観光商品を開発し、販促活動をするんです」
 韓国観光公社の担当者から聞いた言葉が、最も印象的だった。
 歴史的建造物が多いわけでもなく、黙っていては誰も来てくれない。そんな危機感に加え、韓国をもっと世界に知ってもらいたいと願うから、必死になってサービスを考え、観光商品を企画する。日本政府観光局ソウル事務所の鄭然凡所長は「真っ白なキャンバスに韓国の魅力を描いている」と評したが、まさにその通りだ。
 日本はどうか。北海道から沖縄まで多様な自然と豊かな地方文化を持ち、戦火を免れた京都という古都まである。韓国に比べて恵まれていることは一目瞭然だ。
 中国人観光客を抜いて考えても、韓国の伸びは大きい。外国人観光客の誘致では、韓国に学ぶべき点が多いようだ。
==============

2014/01/16

記事:ハラール食:千葉市に初の加工施設

http://mainichi.jp/shimen/news/20140115dde041040053000c.html

ハラール食:千葉市に初の加工施設

毎日新聞 2014年01月15日 東京夕刊
 イスラム圏からの来日客が増加する中、国内初の「ハラール食」専用の食品加工調理施設が21日、千葉市花見川区で稼働する。運営する佐藤長八商事(東京都台東区)の現地事業所は「安全性の高い無添加食品としてすべての人に味わってほしい」と話す。
 「ハラール食」は「食べられるもの」を意味し、イスラム教徒が禁じられている豚肉やアルコールを含まない食事。豚脂やアルコール添加物なども禁止され、肉も血抜きなど製造工程に厳しい定めがある。
 事業所内に設けられた施設では、添加物や保存料を使用しない千葉県産のしょうゆや熊本県天草産の鶏肉を使用。国内の食肉処理場の確認も行い、ハラールの基準を満たさない肉などは排除した上で、しゃぶしゃぶ・焼き肉用スライス、焼き鳥、レトルト食や総菜などを製造する。日本アジアハラール協会のハラール認証も取得している。

2014/01/15

記事:香港の歴史建造物「美荷樓」がユースホステルに-「生活館」も同時開業

http://hongkong.keizai.biz/headline/161/

香港の歴史建造物「美荷樓」がユースホステルに-「生活館」も同時開業


  •    

香港の歴史建造物「美荷樓」がユースホステルに-「生活館」も同時開業
シンプルにまとめられた宿泊棟
写真を拡大地図を拡大
 1954年に、香港で初めて作られた公団だった「石硤尾邨美荷樓(Shek Kip Mei Estate Mei Ho House)」(No.70 Berwick Street, Shek Kip Mei Estate, Sham Shui Po, Hong Kong)がユースホステル「YHA 美荷樓青年旅舎」に生まれ変わり、10月24日に開業した。

1950年~70年当時の住居内の様子

 公共住宅がユースホテルに改装されるのは香港では初めてのこと。H型の建物は6階建て。館内にはホテルだけではなく、1950年~70年代の住居を一部そのままに、当時の住民の様子が分かる展示品1200点が並べられ、実際の台所や部屋の一部、トイレなどを紹介する「美荷樓生活館」もオープンした。第二次世界大戦後、多くの人が中国大陸から香港に渡り、彼らのために作られたのが最初の起源であるこの公団は、1950年当時は120スクエアフィートの部屋に10人以上で住んでいた部屋もあったというほど。約10年前に閉鎖されたが、移り変わりの激しい香港で当時の様子を実際に感じる場所を保存しようという動きから、このような形で生まれ変わったという。

 部屋は男女それぞれのドミトリータイプ、ツインルーム、ファミリータイプなど。部屋数は全部で129室。部屋の大きさはツインルーム、ダブルルームが269スクエアフィート(25平方メートル)。エアコン設備はもちろんのこと、テレビやヘアドライヤー、給湯器も用意、全室Wi-fiが完備されている。料金はドミトリーが1泊300香港ドル。ツイン&ダブルルームが1泊1部屋680香港ドル。ファミリータイプが1,620香港ドル(メンバーの場合)。宿泊料には朝食が含まれる。

 利用は国際ユースホステル連盟、HKYHAの会員に限られるが、会員に同行する場合、3人までは宿泊可能。海外からの旅行者については非会員でも到着時に会費を払い入会すれば宿泊申請できるという。

 同ホテルの広報担当者は「日本からのバックパッカーにもぜひ楽しんで利用してもらいたい」と話す。

 生活館は入場無料。開放時間は9時30分~17時。月曜定休。

 ●は石へんに夾。

記事:ドイツ、14年観光テーマは世界遺産-ドイツ統一25周年なども

http://www.travelvision.jp/news/detail.php?id=60054


ドイツ、14年観光テーマは世界遺産-ドイツ統一25周年なども

  • 2013年12月25日(水)
 ドイツ観光局はこのほど、2014年と2015年のイヤーテーマを発表した。14年はユネスコの世界遺産をテーマに設定。エコツーリズムや、ローマ教皇を決定して教会大分裂を終結させたコンスタンツ公会議の600年記念、大バッハの次男であるカール・フィリップ・エマヌエル・バッハ生誕300周年もテーマとした。さらに、14年、15年のイヤーテーマとしてベルリンの壁崩壊とドイツ統一25周年、伝統と習慣を発表した。
 ドイツ観光局によると、ドイツ国内の世界遺産は38ヶ所。同局では「ドイツにおけるユネスコ世界遺産、持続可能なカルチャー及びネイチャーツーリズム」というスローガンのもと、14年の観光キャンペーンの目玉に世界遺産を設定。現在同局とドイツ・ユネスコ世界遺産委員会と共同で観光マーケティングを実施しており、専用のウェブサイトで教会や城、歴史的な町並みなどの世界遺産を紹介している。
 また、2015年10月に東西ドイツ統一25周年を迎えることから、14年初旬から2年間、ベルリンの壁崩壊、ドイツ統一25周年の観光キャンペーンを実施。「25の側面からドイツに焦点をあてる」というスローガンで、観光スポット巡りや自然を体感するツアー、カルチャーツーリズムなど多面的にマーケティングを展開していく予定だ。
 さらに、14年、15年の2年間のマーケティングテーマとして伝統と習慣を設定。これは近年都市に加えドイツの田舎を巡る旅の人気の高まりを受けたもので、ドイツ国内の各観光局と連携をはかり、「観光国ドイツ」ブランドの1つとして、伝統や習慣を世界にアピールしていく予定だ。このほか、2015年のテーマとして、ルネサンス期の画家ルーカス・クラナッハの生誕500周年、ドイツの観光街道もあげた。

2014/01/10

台湾:921地震教育園区

http://jp.taiwan.net.tw/m1.aspx?sNo=0003112&id=A12-00015

921地震教育園区

921地震教育園区
 台中市霧峰区の「921地震教育園区」は世界中特別な自然科学教材で、1999年9月21日午前1時47分、台湾中部でマグニチュード7.3の強烈な地震が発生した断層のずれ、校舎の倒壊、河床の隆起など全て保存されています。全ての建設は2007年9月に完成され、車籠埔断層保存館、地震工学教育館、映像館、防災教育館、再建記録館などの展示館があります。921地震跡地の保存を行いながら、主に自然科学、ニューマニティー、歴史記録の3つの方面から展示と教育活動を行います。また、教育園区の建築も一つの特徴になります。
 断層の通過によって造成された地景や校舎の倒壊状況をより鮮明にするため、当教育園区の建築物は展示館と地震で破損した校舎とを統合し、断層線上の地層の変動がもたらした影響をより一致した形で表現しています。また、建築物に使用した針や大地に隠れた糸で地震でできた亀裂を縫い合わせています。視覚の角度を利用して相対的高層を求め、活断層の落差値によって安全な距離をとっているので、建築物は原則的に断層のラインに従って移動します。そして地形や地上の様子に合わせて調整し、それぞれが自然に独立しながらも互いに連結した空間となっており、見る人に異なる空間体験を与えています。
車籠埔断層保存館:921大地震際の断層遺跡の景観を保存し、現在地と過去の共同記憶を連結し、真実の地表の様子や地球の地震科学知識を知ることを通して、人間と自然とが平和的に共存する関係を来館者に体験していただきます。
地震工学教育館:展示館では、安全な家、進んだ建築物の減震技術、公共安全など3大テーマを展示しています。来館者が地震と建築工程との関係を認識し、耐震建築の条件、新しい耐震建築の技術などを理解し、建築物の耐震性への重視や責任感を高めることができます。
映像館:光復中学校の旧スポーツセンターを改築してできた映像館では、921大地震に関連する写真や映像資料を集め、921大地震が人々の心に残した記憶を現実的に表しています。映像館にある三大シアターは、真情シアター、地心シアターと地震体験シアターです。3つのシアターにはそれぞれ特色があり、その背後にある意味合いを持っています。それらの映像や音声資料を見ることや自ら体験することにより、来館者に地震がもたらす震撼性や再建の希望を体感していただきます。
防災教育館:防災教育館の設立は、「事前の予防作業をよくすることは、事故発生後の救助より効果がある」と、このような理念に基づいており、関連の防災や避難の知識を広めることによって、国民が正しい防災概念を身につけることを期します。
再建記録館:921大地震発生後の再建経過を記録することを主軸とし、政府当局と民間が共同に進めてきた災害救助や再建成果の記録を現しています。再建記録館の建築デザインは、現存のトラックを活かすという趣向で、トラックを外部環境から展示区域内に引き伸ばして、移動式の展示ボックスで再建の記録を陳列し、リレー・レースのような長い再建の経過を表現しています。