2014/02/28

記事:<新興国eye>タイの空ではLCCがシェア30%超

http://www.morningstar.co.jp/msnews/news?rncNo=1232153&newsType=emerging

<新興国eye>タイの空ではLCCがシェア30%超

2014/02/27 13:36

   タイの空で「LCC」(格安航空)のシェアがなお広がっている。昨年度(12年10月-13年9月)は、タイの空港において、およそ3分の1は、LCCとなった。
 タイ空港会社(AOT)の数字によると、昨年度タイの6つの空港でタイに乗り入れているLCC25社は、延べ2660万人の客を運んだ。これはタイ6空港全体の8610万人の31%にあたった。
 離着陸回数でも、LCCは18万5000回で、全体のタイにおける発着回数56万回の3分の1を占めた。

 LCCの旅客者数は、前年度(11年10月-12年9月)比31%増、前年度の2030万人から2660万人に、1年で630万人も増えている。
 また、発着回数も前年度の15万3000回だったのが18万5000回へと増え、21%増となった。

 LCCのシェアアップは、伝統的なフリル付きの航空会社のシェアを食っていくことになる。14年2月、国有会社「タイ国際航空」(THAI)は、バンコク-ハットヤイ間の便をとりあえず3月末で打ち切ることを決めた。
 これに代わり、「タイ・スマイル」を運行させる。タイ・スマイルは、タイ国際航空のブランドで独立した子会社ではないが、LCCに食われた路線をこの格安ブランドで補おうという
戦略である。
 このまま行くと、タイ国際航空は国内線をタイ・スマイルに任せ(タイ・スマイルはラオスのルアンパバンなど近距離国際線へも13年末より進出した)、本体は長距離国際線のみとなりそうだが、ここでも将来は、エアアジアXなどLCC長距離便の挑戦を受ける。
 タイ国際航空は13年、130億バーツ(400億円)に上る巨額の最終赤字を出した模様である。14年も同様に赤字が見込まれる。

 LCCのトップ企業は、「TAA」(タイ・エアアジア)航空である。800万人近くを運んだ。
 これに続くのが、タイ生まれのLCCである「ノック・エアー」、さらにシンガポール航空が49%出資しているシンガポールのLCC「タイガー・エアウエイズ」が連なる。

 14年はさらに下記のLCC4社ほどの参入が計画されている。いずれもタイ側が51%出資、外国側は49%である。
【タイ・ベトジェットエアー】
 ベトナムのLCCである「ベトジェット・エアー」がタイのカーンエアーと組み、タイに乗り込んでくる。
【タイ・エアアジアX(TAAX)】
 マレーシアのエアアジアは、長距離LCCとしてAAX(エアアジアX)を持っているが、これがタイの資本と組み、タイにも乗り込んでくる。マレーシアに加えて、タイからも格安長距離便が増えそうだ。
【ノック・スクート】
 タイのノック・エアーとシンガポールの「スクート航空」が13年タイに合弁会社「ノック・スクート」を作った。スクートは、シンガポール・エアラインズが11年に作った長距離向けLCCである。
 ノック・エアーはかつて経営が悪化し(タイ国際航空が39%出資)、国内線に絞ってきた。しかし、2013年からミャンマーに乗り入れるなど国際化も図っている折、スクートとの提携ができた。ノック・スクートは、長距離路線で本命TAAXに対抗することになる。
【タイ・ライオン・エアー】
 インドネシアのLCCである「ライオン・エアー」が13年12月にタイに乗り込んできた。とりあえず、バンコク-チェンマイ間に就航した。

 エアアジアは、「今後のLCC間の競争激化に対して、さらに7.5%のコスト削減で対応していく」(フェルナンデスCEO)と言っている。
 今や航空機が空の乗り合いバスのようになった時代、安全性(プラスある程度の快適性と利便性)さえ保たれれば、LCC流の低運賃が時流になっていくのだろう。

【筆者:バンディ(ペンネーム)】
「北 タイのチェンマイに居を構え、成長著しいタイ、インドシナ半島、アセアン諸国の変化をウォッチしています。インターネットやテレビ、新聞で現地の情報を拾 うだけでなく、各地を訪れ、生活実感に基づいた新興アジアの現在をお届けできればと思っています。ブログ「チェンマイUpdate」 (uccih.exblog.jp)に、ここ数年の情報が蓄積されていますので、そちらもご覧ください。

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提供:モーニングスター社

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